「40の発達資産」を提唱しているサーチ・インスティチュートは、次の6つの基本概念を掲げて、大人に子どもたちに目を向ける大切さを訴えています。
基本原則1「誰でもできる」 Everyone can build assets
経済的に恵まれた家庭や地域、特別の学校に通う子どもだけが発達資産を築けるというわけではありません。子どもの成長にかかわる誰もが、例えば、子ども自身やその親、祖父母や近所の人々、学校の先生や社会教育指導員など、そして、一見子どもとは関係ないように見える地域の大人一人ひとりが子どもの成長に責任を負っているのであり、子どもの成長を促す発達資産を築くために貢献することができるのです。
基本原則2「すべての子どもに」 All young people need assets
経済的な問題をもった子どもや、精神的に課題を抱えた子ども、その他さまざまな困難な環境に置かれた子どもには特別な配慮がなされなければなりませんが、そうでない子どもにも、すなわち、すべての子どもが発達資産の恩恵を受けられるようにしなければなりません。
基本原則3「人と人のきずなが鍵」 Relationships are key
発達資産の構築は、大人と子どもとの関係だけでなく、子どもと子ども同士の関係にも配慮した人間関係づくりをめざします。その中心となるのは、子どもの視点です。
基本原則4「継続的なプロセス」 Asset building is an ongoing process
発達資産の積み上げは、結果ではなく、過程に視点を置きます。それは、子どもが生まれた時点から高校を卒業するまで持続的に発展させていかねばならない人間形成のプロセスであり、またその後も、生涯にわたって成長し続ける人間形成プロセスの重要な一部をなします。
基本原則5「一貫したメッセージ」 Consistent messages are important
家庭や学校、地域やメディア、その他子どもに係わるすべての人が、どういうことをすることが重要で、何を期待されているかということについて、子どもたちに首尾一貫したメッセージを発することが大切です。
基本原則6「継続性をもつ」 Intentional repetition is important
発達資産の向上は、子どもが関係するあらゆる時と機会を利用して意図的に、計画的に行なわれる必要があります。