アメリカ、ミネソタ州ミネアポリスに事務所を置くサーチ・インスティチュート(Search Institute)は、今から60年前に設立された教育研究を行なう非営利団体です。
研究者や職員など50名を有し、運営資金や研究資金等は、政府や州などの研究教育助成金や企業からの寄付金、100種類以上にものぼる教育出版物などをもとにしています。
サーチ(Search)とは、探究し、真理を探し求めるという意味。サーチ・インスティチュートに所属する研究者や研究員が個別に行なう調査研究や、全国規模の教育団体や国内外の大学研究者などと共同で行なう研究、また地域の学校や教育団体とともに展開する活動などを行なっています。
「40の発達資産」は、アメリカとカナダの200万人に対する調査をもとに、子どもたちが健康な生活を送り、家庭や学校や社会で積極的な意識や態度を身につけていくために何が不足し、何が必要であるのかを明らかにしました。
子どもの健全な育成を考える上で、重要な枠組みを示したことになります。「40の発達資産」を理論的に説明し検証した著書は、数多く揃えられています。
ところが、サーチ・インスティチュートは単に調査研究をするだけで終わりませんでした。
子どもの発達を促す資産のいくつかが家庭や学校や地域で不足しているとわかったならば、次はそれらを築くための方法論を提供しなくてはなりません。
そこで、意識啓発のためのパンフレットや冊子、ニュースレターをはじめ、教育教材や成功事例集の出版、リーダーを育てるためのトレーニングや研修会、ネットワークの充実、ニーズをもつコミュニティへのサポートなど、さまざまな具体的な施策を打ち出しています。
サーチ・インスティチュートの考え方は、今や全米、ヨーロッパ(スペイン、イギリス…)などに広がっています。