先生にできる3つのこと What we can do as Teachers

 

サーチ・インスティチュートが勧める学校でのアドバイスです。

 

今日、教員はより多くの負担をもつようになってきており、これ以上のことはできないと無力感を感じる先生も増えているようです。
しかし、「40の発達資産」を育てることは、さらなる負担を負うものではありません。現在の教育法やカリキュラム、生徒指導等のなかで実行できる上、教育の質を向上し、クラス運営をよりスムーズに行えるようになるのです。

アメリカの学校で行われている実践例には、道徳のような時間の中で毎回1つずつの資産について考えるものや、朝の時間に取り上げてその日に焦点を当ててみる発達資産を決めるものなどがあります。

また、算数や国語、社会といった授業の中で、児童生徒間のグループ学習の取組方などで取り入れて態度を養うものもあります。

 

1.肯定的な人間関係づくりが必要 Build positive relationships

学級運営に関する研究によると、先生も生徒も、次のような教室を望んでいます。

  • 先生と生徒の間の相互的なコミュニケーションがとれている。

  • 生徒一人ひとりの成長や発達を見守る雰囲気がある。

  • 子ども主体の参加型授業や問題解決的な学習、研究課題に取り組むような学びのスタイルが取り入られている。

  • 生徒一人ひとりの学習のくせや好みにも配慮している。

●先生が一方的に話す・教える時間ばかりに注目するのではなく、子ども達が話し・教え合う場面をできるだけ用意し、がまん強く待つことも必要。

 

2.出発点は意識的な「学びのコミュニティづくり」
  Build a Learning Community

  • 先生も生徒も、お互いの話をよく聞きましょう。
  • 先生も生徒も、お互いに否定的なことばではなく、肯定なことばを使いましょう。
  • 先生も生徒も、お互いの意見を尊重しましょう。
ある研究者によると、クラスや団体をコミュニティとして機能させるには3つの段階を通らなければなりません。まずは、各メンバーがグループの一人として認められていると感じるようにする。 次に、各メンバーがお互いに助け合って、一人一人がグループに影響を与えることができるよう努力しながら、個人を尊重できるようにする。
最後に、グループが連帯感をもって、コミュニティとして一緒に創造的な活動ができるようにする。
●先生がまず率先して「肯定的」な言葉を使い、否定的な表現が出そうなときは、一息置いて、肯定的な表現へと意図的に置き換えてみる。

 

3.子どもに自分の学習プランを立てさせる。
  Help students create their own study plans

    子どもたちに勉強の必要性だけを知らせるのでなく、学ぶことの面白さを感じさせることが必要です。
    そのヒントには次のようなものがあります。
  • 勉強の内容にどれを選ぶかの選択肢を与えるようにする。
  • 学習活動の内容や時間配分、授業外の宿題や参考資料(ビデオ、インターネットなど)、成績評価に関して、子ども達の意見を求めてみる。子どもにも意見を言う機会をつくることで、子ども自身に自分の学習の仕方を見直すチャンスを与えましょう。
宿題を面白くする。例えば・・・
  1. 「宿題仲間」を作ってみましょう。
    普段一緒に行動しない子どもの組み合わせを作って、お互いの宿題などをチェックしたり、一緒にやらせたりする活動を通して絆をつくることができます。
  2. 地域の人々に質問をさせてみましょう。
    子どもが地域に出て、質問をしたり、文書を書いたり、話をする技術を使うようにしましょう。
  3. コミュニティサービスや奉仕活動をさせましょう。
    学校などのボランティア活動行事だけではなく、自分でできるボランティアを見つけるように勧めましょう。
  4. 自分で宿題を作らせ、評価してあげましょう。
    いつも与えられた宿題をこなすというのではなく、自分から課題を見つけ出し、積極的に学ぶ姿勢をつけるために、自分で宿題をつくらせ、やってきたら評価してあげましょう。
  5. 読書を楽しむ子どもにしましょう。
    読書をすることは一生涯の楽しみにもつながります。読書は非常に重要な活動であることが証明されています。子どもたちが読書を楽しめるように、授業内容や成績評価の工夫をしましょう。
●宿題はなぜ必要なのか。学びたいという気持ち、学んで得をしたという気持ちにさせるような課題の出し方の工夫が必要。

 

("A Quick-Start Guide to Building Assets in Your School", by Deborah Davis & Lisa Rice, サーチ・インスティチュート、2003より)

 

親や祖父母にできること子ども自身にできること先生にできること地域できること

 

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