なぜ発達資産が必要なの?

 

アメリカの研究によると、40の発達資産のなかから数多くの資産項目をもっている子どもの行動はより健康で積極的であり、資産の数が少なくなるほど危険で否定的な行動になる傾向があることがわかっています。

これは、アメリカで行なわれた200万人を対象とする調査結果によります。40の発達資産と子どもの行動との関係から、例えば、次のようなことが言えるとされています。

 

発達資産の向上は、

  • 学力の向上にもつながる。
  • 非行的な行動を避け、社会性や市民性を身につけることにもつながる。
  • 人生を生きる力や積極性の向上にもつながる。

 

ところが、アメリカの調査によると、アメリカの多くの子どもたちが40の発達資産のうち、半分以下しかもてない状態に置かれていることがわかっています。
つまり、高度に経済が発展した社会において経済的資産が社会に蓄積される一方で、子どもの発達を促す資産は豊かにならず、反対に社会が子どもの成長支援を放棄したような状況まで見られるようになっているということです。
「忙しい」という言い訳をこのまま続けていくことは、子どもの未来を摘み取ることにつながるという危機感があります。

 

発達資産の「ハイ・リスクな行動」との関係

(表中の%は過去3か月以内に、左記の行動を行っている子どもの割合)


40資産で子どもが取得している数 0-10個 11-20個 21-30個 30-40個
アルコール使用 49% 27% 11% 3%
暴力への関わり 61% 38% 19% 7%
違法なドラッグの使用 39% 18% 6% 1%
反社会的行動(万引きなど) 48% 22% 7% 2%
不登校・登校拒否 45% 24% 11% 4%
うつ病・自殺未遂など 42% 27% 14% 5%

 

 

発達資産の「姿勢」や「行動」との関係

(表中の%は過去3か月以内に、左記の行動を行っている子どもの割合)


40資産で子どもが取得している数 0-10個 11-20個 21-30個 30-40個
リーダーシップ能力 50% 65% 77% 85%
他者への手助け 65% 80% 89% 96%
健康維持能力 26% 47% 69% 89%
危険を回避する能力 8% 19% 31% 44%
多民族・多文化の尊重能力 36% 57% 74% 88%
優秀な学習成績 8% 17% 30% 47%
学校でのGPA(4.0満点) 2.1 2.7 3.0 3.2

 

(Developmental Assets: A synthesis of the scientific research on Adolescent Development, Peter C. Scales & Nancy Leffert 著、サーチインスティチュート出版、1999より)


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