発達資産に関する研究

 

私たちは、「40の発達資産」について研究する研究者グループです。
山口県立大学の4名の研究者でチームを組んで子育ての国際比較について研究をしてきました。

最初の研究は2004年に発行した「変動社会における子どもの社会化に関する国際比較研究-日本、中国、韓国に おける親及び子どものアンケート調査から」です(山口県立大学発行)。次にこれを英訳した報告書を発行しました。
さらに、山口県家庭教育学会を通して実践的な支援方法や子育ての課題などについての研究を重ね、文部省科学研究費で研究を継続しています(2008年~2010年、2011年~2013年)。
2007年12月、アメリカのミネアポリスのある地域に聞き取り調査に赴いたとき、ボランティアが差し出した説明用のパンフレットに目がとまりました。

「Children First」(チルドレン・ファースト)と記したパンフレットです。
「子どものことを、第一に」という意味ですが、シンプルで響きのいい、しかも深い意味が読みとれるこの言葉に、心が動きました。
これから私たちが取り組み、貢献できればと考えている内容と方向を統合する言葉として、「チルドレン・ファースト」はぴったりだったからです。
実は、チルドレン・ファーストという名称を持つ団体・組織はインターネットで検索しますと、世界に多くあることが判明しました。
地域の事情や文化の違いにより対象とする子どもの年齢や内容やかかわり方は区々ですが、「子どものことを、第一に」という思いは万国共通であることが分かります。40の発達資産も 子どものことを第一に考えたい、子どもにもっと力を与えたいと願っています。

「子どものことを、第一に」と言っただけでは活動の中身が見えてきません。

私たちは、子どもの精神的自立のために「親の力と地域の力を、もっと子どもに」と解釈し、「もっと」に意味を込めています。
「もっと」は量的側面だけでなく、子どもの自立に必要な内容や方法・手だて、かかわり方など質的側面を含めて考えています。
まだ研究の段階にすぎませんが、日本の子どもを取り巻く環境や子どもの育ちの憂うべき状況を背景に、子ども達のための教育支援について考えていきたいと思っています。

 

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